「星降る王国のニナ
」のレビュー

星降る王国のニナ

リカチ

最初から相手は決まっていたのかな

ネタバレ
2026年10月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ (2025.10.1)
セトエンドが極めて濃厚。セト派は歓喜で読める。アズ派はかなり辛いので覚悟して読んだ方がいい。中盤まではアズとの恋を物語の中心(運命や宿命に立ち向かうニナの行動の原動力、愛の物語)として描いていたが、中盤からセトとの関係構築へと変わっていく。運命や宿命も、セトと一緒に立ち向かう。「初恋さよなら」のあとのアズは、セト自身の成長とニナとの恋を成熟させるための当て馬で、痛々しすぎる。最初からセトと結ばれる前提であるなら、こんなにアズとの恋を見せる必要があったのかと思う程に、読者にとってもアズにとっても悲しい。「アズと結ばれないなら読む価値なし」と言っているわけでは決してなく、絵は間違いなくきれいだし、ファンタジーとしてのストーリーも面白いし、何よりセトはかっこいい。アズ派/セト派の勝負に納得できない気持ちもあるけど、それ以上に、こんなにセトエンドが濃厚なら、アズにいちいちあんなセリフや表情をさせる意味があるの?と思ってしまう。19巻のアズの告白も、だいぶ無意味。ニナが生きられるように、自分の心を犠牲にしてありとあらゆるものから守ってきたのに、ニナもセトも知らずに(知ったけど、「そうなんだ、ありがとう」「アズってやっぱりすごいね」程度)、二人でイチャイチャしているのだから、アズはもう…ニナのこと忘れなよ。あれだけ偽りの人生を生きてきたアズが、唯一心から望んだニナを手放し、彼女の笑顔だけをひたすら願ってここまできたのに、「アズはみんなから愛されて、幸せになれたね」で終わるのが逆に凄すぎる。アズの個人的な恋愛をここまで切なく描かなくても、ニナはセトとちゃんと結ばれただろうし、星の神との云々の話も進んだんと思う。アズの恋愛をこんなに描くのは、発行部数を伸ばす以外に意味があったのかな。アズには恋愛以外の意味を持たせるじゃダメだったのかな。
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