水滸伝
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水滸伝

北方謙三

夢を追いかける人々の生き様

ネタバレ
2015年10月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 北宋末期を舞台として、腐敗した政治権力に様々な理由から漢達が集まり、立ち向かうという物語です。
原典の「お約束」を破壊、ストーリーや人物像を解体・再構成、ハードボイルドの空気を取り込ませたことで、極めて現実的に、なおかつ燃える作品に仕上がっております。
しかもこの作品、いろんな方向に話が広がります。戦争から個人の立ち合い、スパイによる暗躍に情報戦など戦闘だけでも様々で、平穏時の人間模様までしっかり描かれるのでたまりません。
登場人物が半端な量ではないです。しかしそれはデメリットというより、好きな人物が見つかりやすいというメリットというべきでしょう。実際自分も最初は、登場人物の一人を追い続ける形で読みましたので。
燃える物語で、なおかつ文章が簡潔かつ丁寧、普段小説読まない人でもこれはおすすめできます。
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