ポラリスベル
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ポラリスベル

テラシマ

路線図は星座

2008年6月13日
夜の空気のような、ちょっと切なくて優しいお話です。
全4話で各話のメインキャラの心情を星になぞって描かれています。
(以下かなりネタバレ)
 
1話ポラリスベルは北極星。
秀吾の話。好きになった人は親友(元カノ)トーコの父親(駅長さん)
諦めようしても諦められなかった、純粋に人を好きだと想う気持ちの描かれ方がいいです。
 
2話Oh Beautiful And Fine Girl Kiss Me.は彗星。
ケイスケの話。トーコとは幼馴染みで初恋相手で今も好きな気持ち。
秀吾とは親友だけど恋敵で、トーコパパをただ好きだと言う彼を諦めさせることも応援してやることも出来ない遣りきれない気持ち。
ケイスケの立ち位置はちょっと切ない感じですが、人が人を好きだと想い、相手を思い遣る大切さが伝わる素敵な話です。
 
3話宛先は月のうらがわ暗黒星雲。
トーコの話。秀吾が自分の父親を好きだというのがバレます。
秀吾をまだ好きで、でも父親に強い独占欲を持つトーコ(父子家庭だから)
そんな自分に苛立ち、秀吾に告白しろと言い出すのですが…この話泣けます。
私はトーコの秀吾に対する最後のセリフできゅうって切ない気持ちになりました。
 
4話ティコの足跡は超新星ティコ。
トーコパパの話。1話の駅長さん視点。
駅長さんが秀吾に抱く感情は恋ではないけれど、とても大切な気持ちで何だかこっちが嬉しくなる話です。
 
 
デビュー作の「美術準備室の亡霊」は似て異なる葛藤を互いに持った画家と高校生の話。
こっちも切なくて可愛らしいですよv
 
星の話が好きで軽めのBLを読みたい方にオススメしますv
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