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杉原理生/北畠あけ乃

30代の再会

2015年11月17日
寂しがり屋の男と臆病な男の恋

30代半ばのカップルの再会
シリアスな内容と文学的なかための文体。

野田の独白で話がすすめられるので、若杉の心情はセリフや行動、後半に出てくる若杉の著作で知ることになります。
読み手は、野田の気持ちの変化に合わせて若杉の人物像を読み取るため、若杉をつかみどころがない人物だととらえることもあるかなぁと思いました。
そのじれったさが、野田の若杉へのこもった熱のようにも感じられました。
作家さんがとても気に入っている作品ということです。
ネタバレはしませんが、続きを妄想させるラストがとても良かったです。
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