このレビューはネタバレを含みます▼
平安貴族の恋愛物と思い読み始めました。この話の前に「とりかへばや物語」を読んでいて面白かったので、そんな感じかなぁと思っていました。確かに、主人公の瑠璃姫が活発な女性だという点は似ていますが、探偵ごっこなどの突飛な行動があり、平安文化=優雅という感じばかりではありません。これが、文章力のない作者だと駄作になるのでしょうが、時代考証や和歌も適所に使われており、登場人物が自分の友人のように物語りし、生き生きと動き回ります。そのうち、瑠璃姫なら次はこういうことしそうだなって思いながら読むのも楽しいです。また、周囲の人間も表情豊かで飽きさせません。平安時代は女性が恋愛などで待受女だったと感じていた(源氏物語など)私ですが、実はこの話のような姫も居られた方が現実味があるじゃん?(多少オーバーでも)て思います。現代だけがおてんばな女性が多いて不自然ですもんね。
30代の私からしたら、昔に書かれた話ですがよい本は古びないです。