このレビューはネタバレを含みます▼
父親を知らないヒロインは、母亡き後、男爵の伯父の家に引き取られて暮らしていた。
不作が続き、税金が払えず困窮している所に、沢山の宝物と税の支払い証明書と共に現われたのが化け物伯爵と呼ばれているヒーロー。
以前から借金と引き換えに結婚を申し込まれていたのに、伯父が断っていたのだが、伯父家族を救う為、ヒロインは結婚を決める。
こちらの作品は、とにかく甘かった~。
読みながら思わずニヤニヤしてしまうくらい、北山さんの作品の中でもかなり糖度が高い内容になっていると思いました。
ヒーローは科学と計算を重んじる理系男子なので、作家さんも大変だったんじゃないかな~と感じるほど理知的で、ヒロインは妄想女子なんですが、ヒロインの妄想を可愛い、癒されると言ってくれるヒーローが素敵過ぎてちょっと泣きました。
ヒロインの妄想は本当に面白く、”吸血の一族、おお、麗しきリコペルシコン!”のシーンは最高で、笑えました。
ヒロイン、ヒーローが成長してゆく姿も感動的で、何度もホロリとしてしまいました。
特に、北山さんのヒロインは、例え自分に辛辣な態度を取った相手でも、相手の苦境に手を差し伸べたり、自分が悪者になっても周囲を助けようとする事が多く、その優しさに心を打たれます。
最後の方で、ヒロインの出自が明らかになりますが、そうきたか~とびっくりしました。
脇の登場人物も魅力的でしたが、今回はやっぱり家令のアランですね~。
理系の敬語責めって萌えそうです。
イチャコラもエロもがっつりありますが、この作家さんは官能メインの乙女系小説とは一味違って、良く練られた読み応えのある作品ばかりなので、ぜひオススメしたいです。
特に、執事モノとこちらの作品は、笑いも涙もスリルもあって、とても楽しめると思います。
新作の配信も楽しみです~。