喪服の愛人
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喪服の愛人

マヤ・ブレイク/小越なつえ

赤毛フェチかと思いきや

2016年3月2日
いきなりのエッチぃシーンから始まるこの物語、どんだけハードなお話よ、とか思いつつ読み終えた時、涙が一筋頬を流れていました。良い話です。

主人公のパーラと、彼女の亡き夫と多少関わりのある富豪のアリオンが、互いの過去の傷を埋めるように逢瀬を重ね…どうやらシリーズ物のようで、以前読んだハーレクイン作品の登場人物の名前が随所に出てきます。パーラの夫も、またアリオンの兄弟もその一人で、それらの物語に複雑に絡んできます。


私的には見所と言えば、まあハーレクイン作品だから多少マイルドなセッ………違う違う、亡き妻を想うアリオンの、胸が痛くなるようなシーンの数々です。よくあるハーレクインの設定、『妻とは政略結婚だった』とか『愛と勘違いしていた』とかではなく、彼は心底奥さんを愛し抜いているんです…同じ病気で家族を亡くしている私には、直視するのが辛いシーンばかりでした。

だからこそ、終盤でアリオンが口にする台詞に胸を打たれます。泣けます。そしてオマケのページで笑わされます。

ちなみにパーラの元旦那の方は、もうカッチカチのハーレクイン王道設定のゲ(以下略)。


ハードでエッチぃ展開を期待する方は、やや期待外れになるかもしれませんが、読んで損は無し。
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