このレビューはネタバレを含みます▼
被害者と加害者の家族の苦しみ、しかも未成年による犯行。補導された後、どのような調査がされるのか、被害者家族は世間に晒され、加害者家族もネットでバラされ、当人達が味わう苦しみが伝わって来ます。
この作品は実際に事件に遭われた、起こした人たちに読んでもらいたいと思いました。
苦しさに耐えかねて加害者母親が死のうとしますが、死んだらまた見捨てる事になるんだぞ!というシーンがズーンときました。そして思い出すのが、長崎で人間を解剖したいと言って友達を殺した少女の事が頭に浮かびます。彼女の父親は自死してしまいました。その後の彼女がどうしてるか分かりませんが、とても辛い思いをしているか、さらに冷め切った人になっているのかな…と思うと、彼女にも読んで欲しいと思いました。
当事者達にしか分からない心境がズシンと伝わってくる深い作品です。