背徳のマリア
」のレビュー

背徳のマリア

綺月陣/AZ Pt

心震える衝撃作!

2016年7月2日
下巻を読み終わった後、しばらく放心状態でした。作品の世界観に引きずられ余韻に浸っていました。タイトルはもちろん、表紙カバーも神秘的で作品もとても重みのある深いものでした。途中、読むのが辛くなる場面もありましたが、わたしはとても満足し大好きな作品になりました。ありそうであり得ない現実味を帯びた医療行為、そして同性愛の障害を取り除こうとする気迫、愛されたいと願う執着心・・・男女間では知り得ない強い愛情に胸が震え涙します。表題作と別にリンクしたもうひとつのお話も進行していて、こちらの方が入り込みます。彰、圭介、安藤のバランスの取れた三角関係がとても好き。彰と圭介だけでは二人は幸せになれなかったと言えるくらい、安藤の存在が読み手にとっても救われます。読み終えた今は、ただただ穏やかな幸せに浸れていますように、と願っています。
いいねしたユーザ6人
レビューをシェアしよう!