宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する
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宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する

すずの木くろ/黒獅子

主人公ではなく異世界村人がチートな作品

ネタバレ
2016年8月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 途中までは楽しく読めていたのですが巻を追う毎に微妙な感じになってしまいました。

一良(主人公)がどの程度の技術提供したらいいのかを考えつつも(最新刊ではそれも微妙に怪しいですが)行動してるのに対してバレッタ(異世界の村人)は一良の意志とは関係なく1人で暴走し一良に内緒で勝手に新技術を次々と導入してるのが呆れる思いです。
その行動も第1が村や一良の役に立ちたいということから来てるのであればまだ救いようもありますが、こうやれば一良に認めてもらえる、コレが出来れば自分を頼ってもらえて傍にいられるみたいな自分本位の勝手な恋愛妄想からの暴走行動なのが引きます。
そもそも一良がこの世界に来た時バレッタは原始人に近い知識レベルだったのにほんの僅かな期間で日本語をマスターし専門書を一良に頼らずに解読出来るようになりその技術を導入するようになるというのはあまりにもこの世界観から逸脱してると思います。
5巻第3章で一良がこの国にきて3ヶ月と言ってますので僅か3ヶ月でバレッタは村を要塞化し製鉄技術もほぼモノにしたことになります。恋は盲目とはまたちょっと違いますが恋慕からの行動にせよ、元原始人がそんな短期間ではまず出来ることではありませんし現実離れしすぎていて萎えます。元から少しは頭が良かったという設定もあったと思いますが日本食で強化されたにしても流石にやりすぎです。

前述のような行動や常人どころか天才や超人とさえも言い表せないレベルの世界観にそぐわないバランスブレイカーぶりなのがバレッタにイマイチ感情移入出来ない原因なんでしょうね。3巻以降のバレッタの行動を見ると一良は頼めば資材や資料を何でもホイホイくれる便利な存在とだけにしか思えません。
逆に接するようになって内面が徐々にわかるようになってきたジルコニアや素をさらけ出すようになったリーゼは好印象です。
個人的には世界観も好きですし作品としても好きなので★1や2ではなく3を付けました。
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