十二秘色のパレット
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十二秘色のパレット

草川為

その後の番外編が欲しい!

ネタバレ
2016年9月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ とっっても良かったです!
ほのぼのとした世界観と、悪役のいないところ、そしてヒロインが純朴で活発で、なよなよしくないところ、ジャンのように美青年ではないものの、さりげなくきちんとイケメンな先生。
すべて素敵でした。
作者様のお話はやっぱり最高だなぁと、ますますファンになりました。

龍の花わずらいのようなヒロインの周りを素敵男子が囲っているというオプションは、それはそれはトキメキますが、やはり誰派になるかで結末に多少の寂しさを覚えてしまうもの。ですがこれは素敵キャラはふんだんに現れましたが、ヒロインのお相手は終始1人だけで、先生の格好良さに匹敵する人はおらず揺るぎなかったところ、悪役不在というよりも主要キャラクターに傷がつかなかったところが読後感をさらに良いものにしてくれました。

壮大なお話には戦闘もつきもので、そこに傷や別れはつきものですが、やはり相手が素敵様だとモヤっとしてしまうのも仕方ないところ。
それに対してパレットは、ほんわかした温かい作品で、けれどもマンネリや飽きもさせずコミカルで優しいお話で、とても素敵でした。違うのは違うけれど、三雲と八潮と同じ匂い。
こちらも是非紙媒体でもゲットしたいなぁ、絶版だなんてもったいない。

ですが、せっかくのハッピーエンド!
正式にくっついてからのラブな場面がもう少し欲しかった!
あわよくば家族になるところを描いて欲しかった!
でもそんな贅沢は言わないので、とにかくあと一押し、幸せな2人のお話が読みたかったなぁと思って、少し物足りないので星一つ減らしました。

またいつか何かのコミックスの中に、番外編としてちらりとその後を拝めれば、文句なしの星5つ。

作者様のお話はどれも大好きですが、花わずらいか、パレットかというのは好みでしょうね。
読後に残る切なさが少し苦手な私はパレットや八潮、架空帝のほうが安心して幸せ気分に浸れます。
それにしても脇を支える鳥たちがとても良かった、あんな相棒ぜひほしい。
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