プレイボーイにさよなら
」のレビュー

プレイボーイにさよなら

有沢遼/サラ・モーガン

家庭にはまって看板下ろすど真ん中作品

2016年9月14日
さんざん読んだことがあるような既視感一杯しますが、彼は実は噂を裏切る素晴らしさも持ち合わせており、ヒロインがそんな知られざる素顔に触れていくうちいつしか愛しだしているというストーリー。

仕事に相当入れ込む姿は、確かに間近で見ると驚嘆するに違いない骨太ぶり。

看病がきっかけでより親密度が増す、というのもベタ展開ながら真剣な付き添いぶりとほだされる彼の心の進展ぶりが安心して二人を見守れるところだった。

彼が途中ヒロインを引き留めるシーン、またもう一度、ラスト近くにヒロインが残した書き置きを手にしたとき当初のきっかけなどもうどうでもよくなっているところ、いずれも、ヒロインに対する想いが胸に来る。

男性として、という以前に、人間として尊い職業への使命感と、ヒロインが転がり込んだ後の対応ぶりに冷たさがほぼないところ、暖かい人間性の持ち主であることが随所にあり、物語進行はほとんどを、女を簡単に捨てるという冒頭イメージの払拭に費やされている。

気になったのは、赤ちゃんをヒロインが抱き上げているときの大きさ。体長が、リアリティを持ってない気がする。 最も変だと感じたのは97頁。
赤ちゃんが物語に必須なだけに、この違和感は無視できなかった。
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