リョウ
」のレビュー

リョウ

上田倫子

源義経が女性だった世界のお話

ネタバレ
2016年10月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 記憶を失い現代の少女として生活していた主人公(のちの源義経)。主人公を追って平安時代からタイムスリップしてきた弁慶と出会い元の平安時代に戻ります。
甘えん坊でわがままな少女が源義経としての立場を自覚してから強く美しい女性に変わっていくのですが、その強さが時に恐ろしささえ感じました。
ヒーロー役は弁慶ですが、私は弁慶より断然維盛が好きです。優しく儚げな平維盛が主人公に出会い生き生きとするところ、また主人公に見せる執着が大好きで、維盛の最期は本当に泣きました。
また、快活で頼もしいお兄さんだった源頼朝が主人公に狂ってしまったのが怖くて哀しくて、妻の政子さんはどこかで予感していたのかも…と思いました。
私は「リョウ」中盤期の絵とストーリーが上田先生の作品の中で一番好きです。
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