登場人物に魅力がないし、流水の顔が怖い





2016年11月4日
これも昔読んでいましたが、やはり、こんなに長引かせる必要がある話なのかな?と思ってしまいます。これは私が何かとイライラさせられた、流風の踏ん切りの悪さが、一番の原因ではないかと思いました。もっととっくに流風が心を鬼にして、流水を倒していたら、ここまで無駄に大勢の犠牲者を出す必要もなかったのに、とどうしても思ってしまいます。きっと流水だって、どこかで早く自分を流風が止めてくれることを、願っていたはずです。また、他の人も指摘しているように、話が進むにつれて、しだいに荒唐無稽度合いが激しくなっていき、付いていけない部分が多くなってきました。まず、いくら特殊な能力を持つようになったとはいえ、どうして美形天才科学者ジーンが、それ以外はごく普通の女子高校生である流風に、あそこまで魅了されてしまうのか?と腑に落ちませんでした。また流水も、共感するには、あまりにも、まず単純に表情がホラー顔過ぎて怖過ぎ。もう少し、正気な感じの部分が、感じられる描写があれば違ったのに。そして彼女が、ついには自らの家族まで殺すに至っては、私は完全に流水に感情移入できる、余地をなくしてしまいました。彼女の、あまりにも狂気が入り過ぎた克之への想いには、私は感情移入ができませんでした。それに双子達から恋される、肝心のこの克之自体が、あまり魅力的にも思えなかったのも、最大の原因かもしれませんが。それに、それは辛いとは思うが、なぜ一度の失恋くらいで、狂ってしまうくらい、何でここまで流水は思い詰めてしまうのか?という疑問も、なくならず。私は双子の切ない愛憎物語としてではなく、完全に、ホラーとして読みました。何より、私は流水の存在自体が、最大のホラーだと思うので。また、私からすると、他の能力者達にも、いまいち魅力が感じられませんでした。この作者はアイディアや話作り、そして見せ場の作り方には素晴らしい部分があるとは思うのですが。(例えば街中を車を炎上させながら黒豹に変身した小田切が、駆け抜けていく姿とか、倫子がこれも豹に変身したまま、断崖で曽根原先生をくわえたまま、一緒に海に落下していくシーンとか)そしてだから、人気があるのだろうとは思うのですが、しばしば、キャラクター造型に、どうも、難がある所があるように思います。特にヒロインとヒーロー。この作品では、キャラクター造型に、全体的に失敗したかな、という感じですが。

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はなこ さん
(女性/40代) 総レビュー数:0件