サキュバスは愛欲にたゆたう
」のレビュー

サキュバスは愛欲にたゆたう

春日部こみと/すらだまみ

ヒロインを甘やかしてくれるヒーロー

ネタバレ
2016年12月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 幼い頃に母を亡くしたヒロインは、父親に放置され、ひとつ年上のメイドだけを頼って生きてきた。
賭博癖のある父親は、借金のカタに15歳のヒロインを、60歳年上の幼女趣味の侯爵の後妻として売る。
侯爵は初夜に心臓発作で亡くなってしまった為、ヒロインは莫大な遺産を相続し、女侯爵となった。
社交界からは、男の精気を吸い取って死に至らしめる魔物にちなんで「サキュバス侯爵」と呼ばれるようになり、喘息持ちで体が弱いこともあって、世捨て人のように領地で生活している。
ある時、お忍びで領内を視察していると喘息の発作を起こしてしまい、「何でも屋」のヒーローに助けられる。
登場人物の会話の掛け合いが軽くて楽しい作品です。
ノリはラブコメですが、ヒーロー、ヒロインの生い立ちは切ないものがあります。
歪んだ愛なのは主人公二人ではないですね~。
ヒーローがヒロインを、甘やかしたい、護ってやりたいとめちゃくちゃ可愛がっているところがツボでした。
番外編に「飄々とした天衣無縫な魅力」とヒーローのことを表現しているのですが、人に見せない別の面があったり、ヒロインの虚勢を張りつつも、純真で健気な面があるところなども良かったです。
また他の登場人物も個性豊かなので、スピンオフ期待しています。
読みやすい作品ですし、面白いのでおススメです。
イラストはヒロインが可愛すぎる印象。
当代一の美姫と称えられた母親そっくりの美貌とありますし、20代なので、もうちょっと妖艶な雰囲気が欲しかったかな~。
でもヒーローはカッコよかったです。
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