ユーモア・ミステリー星子ひとり旅
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ユーモア・ミステリー星子ひとり旅

山浦弘靖/服部あゆみ

スリーカードは愛の殺人案内

2016年12月28日
星子一人旅シリーズ12作目。
トラベルミステリーである星子シリーズは一作一作がドラマのようですが、この巻は特に映画的な意味でドラマティックです。
舞台は北海道。宙太が星子のフィアンセとも知らず、宙太にのぼせている星子の親友リツ子。宙太と旅をするつもりだとはしゃぐリツ子に宙太をとられたくなくてブルートレイン「北斗星」に乗った星子さんですが、旅先ではかつて星子が愛した過去の男性に纏わる悲しいストーリーが待っていました。
刑事としての自分の立場に悩みながら、他の男性に心揺れる星子を見守る宙太が悲しく優しい。
このシリーズは、星子を取り巻く男性達が本当の意味での大人なんですよね。今は私のほうが年は上ですが、それでも彼らのほうがずっと大人です。人間の機微をよく知る真の男たちの掛け合いがとても粋でかっこいいです。もう30年近く前の作品ですが全く古くない。今の中高生に読んでほしい。
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