坂道のアポロン
」のレビュー

坂道のアポロン

小玉ユキ

名作です!

ネタバレ
2016年12月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 話も絵もとても丁寧に描かれていて、読み始めてすぐに世界観に惹かれ、全巻一気に読破していました。高校生の初々しい恋愛は勿論ですが、友情、家族、どのテーマもしっかりと同時進行していて、甘酸っぱいだけじゃなく、悲しかったり、辛かったり、本当に良かったです。更に、時代も住んでいる場所も、そこの文化や背景もジャズも凄く上手に活かされていて見事でした。ただ、千太郎が、出自からくる様々な辛い体験をしてきて、薫と出会って、これからは変わるって期待していたのに、失恋、(しかもその初恋の人の相手は兄のように慕っている人)、そして、だめ押しかのような事故…、1人だけ不幸を背負い過ぎていて可哀想でした。最後に選んだ道も彼らしいけど、なんか辛かったです。性格の悪い私は、あんな風に千太郎を傷付けた百合香と淳兄がくっついたのには、かなりモヤっとしました。淳兄もあの時、なぜキスした!?って、で簡単に絆されるって…、そこだけ、何だか嫌でした。
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