ユーモア・ミステリー星子ひとり旅
」のレビュー

ユーモア・ミステリー星子ひとり旅

山浦弘靖/服部あゆみ

ハートストレートは天使のささやき

2017年1月6日
星子一人旅シリーズの17冊目。
三日月マサル刑事が記憶喪失になり、それを取り戻そうと星子さんが寄り添ううち、マサルの過去がわかってくる、というストーリー。
やっぱり、哀しいですよね、マサルは、過去も今も、なにもかもが。何故ここまで哀しみを与えるのか。胸が締め付けられます。そういう星のもとに生まれたという設定なのでしょうね。かなり後の巻で、星子の恋星の軌道とマサルの恋星の軌道は、本来重ならないものだ、と作者さんが書いておられました。昔読んだときは、そんな設定を残酷に思いましたが、年齢を重ねた今、そういうものもあるのかもしれないと思うようになりましたし、マサルを通して宿命を背負った男の目の哀しさというものを表現されたかったのかもしれません。それだけに、いつまでも心に焼き付くキャラクターです。
星子シリーズは、マサルさん初登場の「ヴァージンロードはエースの罠」からこの辺りまでが一番面白いと個人的には思います。マサル、初登場のときに比べると硬派度が徐々にアップしてます。この巻では、いつもつっけんどんなマサルが、星子さんに独り暮らしの部屋を見られオタオタする意外な一面を見せるシーンがありかわいいです。
そういえば、ラストの火の中からでてきた女性の謎はとけたのでしょうか。星子シリーズ最大の謎かもしれません(笑)。
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