僕等がいた
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僕等がいた

小畑友紀

読む価値あり

ネタバレ
2017年1月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ ヒロインの七美はよくある少女漫画の主人公として登場しますが、恋人の矢野が失踪してから、彼女への試練が続きます。七美は矢野が亡くなった恋人に囚われていると当初から気づきますが、それは単なる恋人への愛ではなく、母の呪縛が投影されていることが徐々に明らかになってきます。見舞いに来たものの会わずに帰った七美を追いかけようとする矢野を止める(この時は体調を心配してですが)母の姿が後の展開と合わせると寒気がします。奈々は事故で、母は自死という形で矢野に取り憑き、挙句、生霊の如く山本が縋り付きます。溺れ死にそうな矢野を助けるのが竹内と千見寺の友情と七美の愛になります。登場時はのんびり平凡すぎる七美しか矢野は救えないだろう、と思わせられました。
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