愛をこうひと
」のレビュー

愛をこうひと

曽根富美子/下田治美

母と娘の関係

ネタバレ
2017年1月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「母親は子供を愛して当たり前、子供は産まれながらに愛されて当たり前」
そう信じてやまない人が大半だと思う。
けれど、「愛」はとても不安定で、自分が満たされていないと与えることは出来ない。
離婚率が上がり、貧困も増えている今の時代、この話しは必ずしもフィクションでは無くなっていると思う。
鬼のような母、トヨ子。
蓋を開けてみれば結局はトヨ子も親に愛されず、不幸な人生を送ってたのだ。
愛をこう人とは照恵だと思いながら読み進めたが、実のところ一番愛を求めていたのは、トヨ子なのではないかと思った。
トヨ子が誰かに愛され、理解され、支えられていたならば、照恵に不満をぶつけて解消することも無かったのではと思う。
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