5人の王シリーズ
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5人の王シリーズ

恵庭/絵歩

面白かったです。…が、描写が甘く謎残る。

ネタバレ
2017年1月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ とりあえず本編読破。
過去と今を行ったり来たり、特に2巻は飛びまくり、混乱する主人公以上に読み手も混乱極めます。が、混乱の波に身を任せればよく、そのあたりはよく出来ているなと思いました。
〈〈〈〈本編未読の方、以下思いっ切りネタバレです〉〉〉〉
★3つの理由としては、例えば、失声したセージがもとの声を取り戻すタイミング(いや、戻ってない?)がハッキリしない。とか、1巻で存在感アリアリだった赤と黒、これが中盤から全く出ず、タイトル『5人の王』がなんだかな~状態。それから、終盤にリフレインされるエールの台詞(重要)、命を削るほど紫が好きなのに、『ルリが大事』な描写の方が丁寧だから、どちら宛ての台詞なのか悩む。青も、含みが多いのは結構だけど、冷徹さの理由や解決が得られないことがしばしば。青の、緑の名前の呼び分けも重要なんだけど、解りにくさに拍車かけてる。
とにかく、読後、未解決の疑問が所々あるのです。
しかし、レビューで多く見かけるルリの妊娠については、個人的には納得。エールのフリしてまでルリを抱いてあげたのは、もう悲劇というしかなく「青、あんたよく頑張ったよ」と思いました。要は厄介払いでしょうが、実子という、永遠の王子を手に入れたルリは幸せでしょう。ルリの幸せは、エールと青の約束でしたから、これはこれで良かったと思います。
色々書きましたが、結論、面白かったですよ(なんじゃそりゃw)。
ストーリーそのものは、出会いも裏切りも結末も、賛否あるエピソードも、個人的にはとても良かったと思います。複雑に行き来する時間軸も、新鮮でした。
長編だし、広げた風呂敷畳むのも形になってると思います、でももっと丁寧に描けると思う。★3つ。
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