ちぐはぐプラネット
」のレビュー

ちぐはぐプラネット

目黒あむ

隠しきれず滲み出る自己愛

ネタバレ
2017年1月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 2話で脱落しました。
「親切」ではなく、「ウザイおせっかい」と言われるタイプは大抵自己愛が強いものですが、この主人公はまさにソレ。

初っ端から自分語りでスタート、内容は「頼りない両親をもった私は高校生にして一人で何でもできる子になっていました……周囲からはオカンって呼ばれてます。中学の頃はウザイと陰口叩かれましたが、そんな私が私は好きなので気にしませんでした」。(←この時点でうわっと思わない人は騙されるタイプなので気を付けよう!)

1話冒頭から何の脈絡もなく自分語りして、「こーんな事言われたけど気にしてません!」とわざわざ主張する自己愛っぷり。
気にしてない割には誰にも何も聞かれてないのにわざわざ主張するンデスネ、中学の頃の出来事を随分執念深く憶えてるんデスネ、と白目。
案の定読み進めれば読み進めるほど隠しきれず滲み出る主人公(作者……?)の自己愛。「主人公ちゃんは世話焼きだけど見返り期待しないケナゲな子!」って扱いで物語が進むけど、そんな主人公の台詞がコレ→「世話焼かれるの嫌だったら言ってね?世話焼くのって人によってはおせっかいにとられちゃうみたいだから」……。うん、ウゼー!
人によってはどうこうじゃなくアンタのやってる事は過干渉のおせっかいですよと。おせっかいと言われる人って、根本に「私は正しくて良い子。そんな私の親切を喜んで受け取らない人間は悪の悪い子」って考えがあるものですが、この台詞からはそういう本音がよくわかります。本当に見返り期待せず、好きで世話焼いてる人は相手が悪いような発言はしないんダヨネー。
大体、自立したいい大人は過干渉は好まない。ボタンつけてあげる口の周り拭いてあげるのおせっかいを喜ぶのはヒモくらいです。
高校生にもなってボタンもまともにしめられない人間から自立の機会を奪うのは優しさではなく自己愛じゃ、お前は良い子ちゃんの自分(というセルフイメージ)のアピールの為に謙虚っぽく見せてるが、底部の傲慢さが透けてみえるんじゃあと漫画にマジレス。

こういうキャラって大抵作者も同類だから、主人公キャラがウザイと言われるのは耐えられないだろうなあ、周囲キャラはひたすら「良い子の主人公ちゃん最高マンセー!」で進むんだろうなあと思っていたら残念な意味で予想通りでした。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!