明かせぬ愛の証
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明かせぬ愛の証

キャロル・マリネッリ/青海信濃

仕事に全力 職場恋愛 ベタ展開でも感動する

2017年2月4日
誤解されることの多かったヒロインは一人前と認められたくて、勤務地を変えて、今度こそ念願の看護師として活躍したくて、職務にあたるときは、精一杯の働きをした。
でも、人を好きになってしまう感情は止められない。

このストーリー、救急の現場での一人一人の真摯な仕事ぶり、人間関係の良好さ、育てる意図で新人にやらせてみる上司の采配、素晴らしい職場環境が描かれている。
結婚式を見なくても二人が、その環境で、祝福されていることがわかる。

仕事はちゃんとしているのだろうかと思えるHQは多いが、この作品では、誠実な仕事への取り組みが胸に来る。そんな矢先に、、、という、ヒロインの心境いかばかりかと思うが、事件が起きたときの彼の行動と、そこは救急医療の現場、全て悪い結果とならず(HQです)、安心の結末。

新しい話ではないのに、描かれているエピソード一つ一つの積み重ねで、綺麗事ではない、彼らの精魂を傾けた粘り強い治療姿勢が伺い知れる。恋愛とキャリアとのこと、折角ここで始めたのに、と、読者としては、ヒロインの前途を思う気持ちにさせられるが、そこは、気持ちのよい人たちでチームを組む病院、悪いようにはならないのが、読んでいてただ嬉しいのだ。自分がやれることをやろう、そういう姿勢で忠実に救急に取り組み続けたヒロイン。その結果として、自分への評価を、その職場は「公正に」下したことが、温かな読後感に繋がって来る。
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