涙に背を向けていた男性が人を愛し始める





2017年2月25日
殺人、重傷、実行者の自死。立て続けにヒロインの身に起こった事は相当ショッキングなことであったろうが、物語ほぼ冒頭で彼女の口からさらっと語られるのみ。
夫側親族のことで争いに巻き込まれ、その果てに未亡人となったヒロインは幼子を抱え生きてきた。こんなことを経て、涙なくして生きる方が無理と言うものだろう。でも、彼女はいつも自分以外の者のために、泣いている、という人間。
ここに入ってくる男性。涙もそして愛さえも否定する男、そんな人間は見た目も冷血か、といえば、決してそんなことはなく、涙嫌いを自認していたのは、自分を固くガードしているかららしく、ストーリー中、彼が人でなしを示すシーンはない。
また、ヒロインも、壮絶な事件に遭遇しておきながら、その画がないばかりか、彼女がトラウマみたいなものと壮絶に格闘するようなシーンさえ一切ない。
要は、二人が同じ「城」に暮らして好きになっちゃった話で片付けられている。
傷跡も、彼が目にして驚く光景だけで済んでしまう。
暗くない話、といえばいいのだろうか。
抱えている過去の「悲惨」が現在に影響を与えているものの描写がこれほどないと、二人の愛は、何かを乗り越えたりするものではなくで、ただ、始めから身を引いている三角関係を清算する図式に単純化出来るような格好の話に終始しているかのよう。。しかも相手の女が、この物語の敵役悪役の冷血人間としてステロタイプに動いてくれる。
脇に遠ざけられた暗い要素がストーリーを徒に振り回さないことは、ただ都会から田舎にやって来た男性が過去あり女性にひかれましたとさ、で終わり、なのだとも言える。
双子の片割れと、その夫というのも、都度都度その登場がいつの間にか居ていつの間にか居ない。キーとしては立ち回らない半端な感じ。
お祭りは、彼の巻き込まれ状況は判るものの、感情が見えない。雰囲気の中に居ない。
男性は好みの絵柄だが、頼りなさげな線の細さ。
愛を自覚して、というシーンにもっと彼サイドの盛り上がりを、絵で確認したかった。
このストーリーは彼目線だったはずだから。
端的に言えば、このストーリー、萌え要素無さすぎで、乗れない。かつ、愛情見えるシーンにウットリとか、恋愛のキラキラとか全然足りない。
空港シーンにしても、なになに、そんなことどうやってできるんだ、という不思議さが拭えない。
星は3.5のつもりです。
夫側親族のことで争いに巻き込まれ、その果てに未亡人となったヒロインは幼子を抱え生きてきた。こんなことを経て、涙なくして生きる方が無理と言うものだろう。でも、彼女はいつも自分以外の者のために、泣いている、という人間。
ここに入ってくる男性。涙もそして愛さえも否定する男、そんな人間は見た目も冷血か、といえば、決してそんなことはなく、涙嫌いを自認していたのは、自分を固くガードしているかららしく、ストーリー中、彼が人でなしを示すシーンはない。
また、ヒロインも、壮絶な事件に遭遇しておきながら、その画がないばかりか、彼女がトラウマみたいなものと壮絶に格闘するようなシーンさえ一切ない。
要は、二人が同じ「城」に暮らして好きになっちゃった話で片付けられている。
傷跡も、彼が目にして驚く光景だけで済んでしまう。
暗くない話、といえばいいのだろうか。
抱えている過去の「悲惨」が現在に影響を与えているものの描写がこれほどないと、二人の愛は、何かを乗り越えたりするものではなくで、ただ、始めから身を引いている三角関係を清算する図式に単純化出来るような格好の話に終始しているかのよう。。しかも相手の女が、この物語の敵役悪役の冷血人間としてステロタイプに動いてくれる。
脇に遠ざけられた暗い要素がストーリーを徒に振り回さないことは、ただ都会から田舎にやって来た男性が過去あり女性にひかれましたとさ、で終わり、なのだとも言える。
双子の片割れと、その夫というのも、都度都度その登場がいつの間にか居ていつの間にか居ない。キーとしては立ち回らない半端な感じ。
お祭りは、彼の巻き込まれ状況は判るものの、感情が見えない。雰囲気の中に居ない。
男性は好みの絵柄だが、頼りなさげな線の細さ。
愛を自覚して、というシーンにもっと彼サイドの盛り上がりを、絵で確認したかった。
このストーリーは彼目線だったはずだから。
端的に言えば、このストーリー、萌え要素無さすぎで、乗れない。かつ、愛情見えるシーンにウットリとか、恋愛のキラキラとか全然足りない。
空港シーンにしても、なになに、そんなことどうやってできるんだ、という不思議さが拭えない。
星は3.5のつもりです。

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romance2 さん
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