追憶の赤いばら
」のレビュー

追憶の赤いばら

キャサリン・ジョージ/さちみりほ

たまにはこんなハーレクインも良い

2017年3月5日
…まあ、年若い娘さん達にゃ、なかなかわかるまい。

精一杯背伸びをしてみたり、慣れない手管を使ってみたり、誰かがその為に傷付くだろうとか、その結果の善悪も考えず、ただただ感情の赴くままに行動して、大失敗して泣きを見たり…私にも、そんなキラキラした、眩しくも残酷な少女時代も確かにあった…

…なんて、そんな感傷に浸りながら読んだ作品でした。

昼メロみたいな劇的な展開や、ドキドキするような濃厚なラブシーンは、本作品にはありません。ハーレクインらしくないと言えば、確かにらしくない。

しかしながら、読み終えた後、この懐かしいような、ほろ苦いような、もう二度とあんなキラキラした時代には戻れないという切なさが、じわじわと湧いてくる…印象深い作品でもあります。

たまにはこんなハーレクインも良いと思いますよ。

嗚呼、こういう作品を読んで『こんな時代もあったな…』と懐かしむ…私も年を取ったんだな。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!