<div>文学作品</div>





2017年4月7日
まるで明治時代の文学作品を読んでいるかのような錯覚にとらわれることしばしば。主人公が少年から成年へと成長していく過程で、人生にとって本当に大切なものを悩みながら取捨選択していく様は、もう一人の人物の人生にも多大な影響を与え、より良い方向へと導きだす。幾重にも絡んだ人々の人生模様に二人の恋愛感情がしっとりとまとわりつき、読んでいて心地がよい。感情と経験豊富な大人の女性にこそぜひ読んでほしい作品。冷徹な顔を持つ人間が愛を知り、そこから溢れ出る感情により時折穏やかな表情になるところなどは、この作者先生の腕の素晴らしさだと感動した。ツンデレなどどいう言葉ではもはや表現できないスケールの大きい物語だと思う。ただ、二人の行く末に幸せがあることを望んでいて、この先ふたりがどうなるのか続きがすごく気になる。

いいねしたユーザ1人
-
eiseigak さん
(女性/50代) 総レビュー数:77件