キレる私をやめたい ~夫をグーで殴る妻をやめるまで~
田房永子
このレビューはネタバレを含みます▼
主人公の女性は支配的で怒りをコントロール出来ない母親に育てられた子供時代を経て、自分自身もアンガーコントロールが出来ない人間へと成長する。
私の場合はそれが父親でしたが非常に共感しました。キレている自分自身を天井から見ている自分がいて嫌悪感半端ではないですよね?自分がまともな人間でない気がしてくるんですよ。
私も新婚時代に夫にキレていた事があり、非常に馬鹿にされて見下されるという力関係が発生したような気がします。様々な経験を通してキレ癖を克服したつもりなのですが、夫の中では未だに私は「半獣人」で一人前の人間扱いされないんですよね。作者のご主人が羨ましいです。
作者のご主人のように水に流す人、「自分は人の悪いところばかり見ている」と自分の欠点まで認められる人は素晴らしいと思いました。未だに家の主人は「可愛そうな半獣人を飼ってやっている素晴らしい俺は天上人」から脱け出さないので、もう決してキレませんが正当な怒りが沸いてきますね。
人間誰だって完璧じゃないし、反省して態度を改めた人間は許すべきですよね?そしてキレる癖は全てを失うので自分自身を見直す良書であると思います。
自分自身をさらけ出して書き切った作者の勇気を評価致します。
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