じわじわくる





2017年4月21日
傷ついた二人が少しずつ互いの傷痕を癒やし合いながら惹かれていくというのがHQの王道の一つだと思うのですが、藤田先生のようにその過程に猛烈な激しさもなく穏やかなままに感動を与える作家というのも稀有な存在だと思います。たぶん類稀な画力と原作を読み取り膨らませる力に優れた方なのですね。なので藤田先生の作品は何を選んでもそれほどガッカリしません。この作品のヒロインは「はっ?!それいつの話?」というような境遇にあった女性で、読み始めた最初の頃はしっくりしなかったのですが、その健気さにいつの間にかそばに寄り添いたくなって、まんまとヒーローと同じ気持ちに(笑)よい話でした。そして安定の藤田和子先生です。

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茉莉花 さん
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