地上より永遠へ
」のレビュー

地上より永遠へ

シャロン・サラ/藤田和子

善行が天国の扉を開く 天は召さなかった

2017年5月6日
美しい愛の日々、残り少ないと知る者は小出しにいまの幸せの延長を望んで、どちらにとっても短い一日一日を精一杯に過ごす。この世の美しさ、みたいな描写の二人の日々。

彼の、ヒロインに生きていて欲しいとの望みを表すシーンの、なんとも言えない愛情の崇高さ、清らかさがたまらない。

このまま駄目なの?、ハーレクインだから何とかしてよ、と思ったら、やっぱり落ち着かせてくれた。
ホッとした。藤田先生は愛し合う二人をムード満点に描かれるため、絵になるシーンでは思わず頁をめくる手が停まる。二人で見た景色、二人が純粋に楽しむ人生の休日、どれも いとおしむように過ごした。全ての時間が二人のかけがえのないひとときであることが描写され、儚いと認識しあっているがゆえにとても読み手の感情を刺激してくる。

コミカライズの醍醐味が随所に発揮されている。
結婚式場面なくても充分満足している。

だから、ハーレクイン読みを止められない。


いい休日タイムを過ごさせてもらってます。



以降2021/6/20 追記。(HQはセット売りが廃され、先生の作品集レビューに書き留めておいた記録が消えた為、新たにここに書き残します。それにつけても、セット商品の唐突な廃止は出版社が、作品を、作家を、過去の買い手即ち読み手やファンを、軽んじている暴挙であると、私は思っております。)
藤田先生は第37回(平成3年度)小学館漫画賞を受賞された実力者。どんな賞かは、1955年創設以来の受賞者の顔ぶれや作品名を見渡せば錚々たる大御所ばかり、名作ばかり、なので、そこからその凄さが知れる。
HQコミックはピンきりなのである。
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