去られて判る大切さ、というパターンの物語





2017年5月7日
輪郭がか細く感じ取れる独特の描線。画風が私には取っつきにくいが、その一筆書きのような表現は、これはこれでこのストーリーの世界を形づくり、中に入り込めれば楽しめる。
シリコンバレー風(?)企業は、スーツを着ない職場だろうから、洋服の黒やグレーを差すコマを描けないのも、絵の作風に逆に合う。
白っぽ過ぎの、ササッと仕上げた印象の絵が、普段は重厚さ不足を感じることもあるHQ作品中で、逆にこの作品ではそれが変だとは言えなくもないと肯定的に見てみれば、作風を活かす面白い位置に着けているのかなと感じている。
細め描線が残す人物部分の白地と、各コマの背景の余白の白色バランスが一貫していて、読み慣れるにつれ違和感が無くなる。
ストーリーは、HQにはたまにあるパターン。才能を見込まれ、ストリートから抜け出て社会で成功している男性が、生い立ち等から愛とどっぷり向き合えない。そこへ、ヒロインが目の前に現れ魅力に惹き付けられ、という設定。理系男子的な彼の、暑苦しさのない体(てい)が、小椋先生のあっさり画風にマッチする。頭でっかち風の(?)スタイルも、小顔男子の恋愛に関する器用さを裏付けるみたいに思えてくる。
HQ「その一言が言えなくて」(高田祐子/デイ・ラクレア)が同類型かと思い、読み比べたい気持ち。
人を見かけで判断することの愚かさを指摘するのだが、何度もヒロインに「私をバカにしないで」と言わせるストーリーは、どうも読み手にヒロインのキャラを勘違いさせそうに感じた。
かつて頭の弱いイメージだった象徴的な外見が、既に大転回したとも聞く。今や、知的レベルの高いアメリカ女性などは悉く外見も揃えており、「バービー人形」みたいな容姿でいて、それでいながら優秀、という時代だと米国MBA留学経験者が語っていた。
言いたいことは分かるけれども・・・、という想定通りに展開するストーリー、オーソドックスに攻め過ぎており、絵柄のユニークさがその辺を救っている。
無難で悪くない邦題だが、原題の方が、ストーリーの流れを象徴していて、ラブ抜き展開でも通じるため、私は原題のセンスの方が好きだ。
ロマンス方面は、ヒロインのことを見ていなさ過ぎだ。最後の詫びと告白程度では、読み手の気分は晴れるものではない。
ただ、彼の引き留めゼリフ「待ってくれ 頼む」に対する、ヒロインであるケイトリンの返し「何を待つの?」は良かった。
シリコンバレー風(?)企業は、スーツを着ない職場だろうから、洋服の黒やグレーを差すコマを描けないのも、絵の作風に逆に合う。
白っぽ過ぎの、ササッと仕上げた印象の絵が、普段は重厚さ不足を感じることもあるHQ作品中で、逆にこの作品ではそれが変だとは言えなくもないと肯定的に見てみれば、作風を活かす面白い位置に着けているのかなと感じている。
細め描線が残す人物部分の白地と、各コマの背景の余白の白色バランスが一貫していて、読み慣れるにつれ違和感が無くなる。
ストーリーは、HQにはたまにあるパターン。才能を見込まれ、ストリートから抜け出て社会で成功している男性が、生い立ち等から愛とどっぷり向き合えない。そこへ、ヒロインが目の前に現れ魅力に惹き付けられ、という設定。理系男子的な彼の、暑苦しさのない体(てい)が、小椋先生のあっさり画風にマッチする。頭でっかち風の(?)スタイルも、小顔男子の恋愛に関する器用さを裏付けるみたいに思えてくる。
HQ「その一言が言えなくて」(高田祐子/デイ・ラクレア)が同類型かと思い、読み比べたい気持ち。
人を見かけで判断することの愚かさを指摘するのだが、何度もヒロインに「私をバカにしないで」と言わせるストーリーは、どうも読み手にヒロインのキャラを勘違いさせそうに感じた。
かつて頭の弱いイメージだった象徴的な外見が、既に大転回したとも聞く。今や、知的レベルの高いアメリカ女性などは悉く外見も揃えており、「バービー人形」みたいな容姿でいて、それでいながら優秀、という時代だと米国MBA留学経験者が語っていた。
言いたいことは分かるけれども・・・、という想定通りに展開するストーリー、オーソドックスに攻め過ぎており、絵柄のユニークさがその辺を救っている。
無難で悪くない邦題だが、原題の方が、ストーリーの流れを象徴していて、ラブ抜き展開でも通じるため、私は原題のセンスの方が好きだ。
ロマンス方面は、ヒロインのことを見ていなさ過ぎだ。最後の詫びと告白程度では、読み手の気分は晴れるものではない。
ただ、彼の引き留めゼリフ「待ってくれ 頼む」に対する、ヒロインであるケイトリンの返し「何を待つの?」は良かった。

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romance2 さん
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ちょびヒゲ さん
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