五月の花はまだ咲かない
」のレビュー

五月の花はまだ咲かない

佐倉リコ

作者買い。よいお話でした。

2017年5月16日
怜一の思惑は早々に分かり、その時点で結末も想像できてしまうのですが、
椿があまりにも純真で怜一に対していつも素直なものだから、可愛さあまって次第に絆されていくのも説得力があります。
元々の怜一はきっと普通の少年だったと思うんだけど、家庭環境に恵まれなかった影響で歪んでしまった部分はあって、
椿と一緒に過ごしているうちに椿の優しさや柔らかい人柄に触れるにつれ、その歪みが正しい方向に戻っていったように思えます。

椿は見た目とてもかわいいし、まだ高校生で怜一とは年の差はあるけれど、優しく純真であるだけでなく逞しさや周りをも温かくさせるような強さがあり、怜一にとっては彼自身がずっと欲していたぬくもりをようやく見い出したと言った感じに思えます。

その後まっとうに戻った怜一と椿のあまあまラブラブがもっと見たかったです。椿ほんと可愛い。
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