神さまの言うとおり弐
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神さまの言うとおり弐

金城宗幸/藤村緋二

人間の生の、美しさと醜さ。

2017年5月18日
人間って、ある意味特殊な生物だと思うのです。生きながらにして、日々の積み重ねの先に死が待つことを知るのですから。

生きている以上、死ぬのは当たり前です。けれども、どうしてだか最近は、死について考えないようにしている人が多い気がします。

考える、考えないは個々の自由です。でも、意識しようとしまいと、その時は万人にやって来ます。誰も逃れることはできません。

死は緩やかに訪れることもあれば、この作品の登場人物たちのように突然、理不尽な形で与えられることもあるでしょう。

問題は、最期の刹那をどう迎えるかだと思います。これには一人一人の生き方の違いが表れるのではないでしょうか。死に様は生き様、ともいいますから…

そう考えたとき、この作品のなかですぐに散った子たち、特別焦点の当たらなかった子たちは、作者の目に映った、人間としての生から逃走している人々の姿のように思われました。

賛否両論の作品ですが、私には生の不条理さと死の公平さ、人間の美しさと醜さについて深く思索を巡らせたもののように感じられます。
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