愛すべき娘たち
」のレビュー

愛すべき娘たち

よしながふみ

すべての娘たちへ

2017年6月2日
よしながふみさん2003年の作品です。まるで上質な映画を観せていただいたかのような読後感。私は特に第3話、雪子の中学時代の同級生の話が印象に残りました。現状は不幸ではないけれど、明るい未来が見えるわけでもない主人公の心境がすごくリアルでした。誰しもが知っているこういう気持ちを、的確に表現されてラストシーンには涙が溢れました。オムニバス形式でさまざまな形の人間同士のつながりを見せてくれます。すべての母も祖母も女友達も、みな「娘たち」だったのだなぁ…と思うと、自分の周囲の人たちを見る目が少し優しくなれる気がします。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!