どんなに大変だったかと思うと、出逢いに涙

出逢ったとき、最初彼はヒロインの境遇を一切知らない。だから、知らないゆえにひどい。
でも知ってるとか知らないとか、そんな情報量の大小で人を好きになることはなくて、既に気になったときから感情は動き出す。
彼はヒロインに接するほど理解を深めていくが、世の中にはいるだろうけど、親がそこまでひどいということを、人はあまり身近で考えない。HQの場合、ひどい親の棲息が一般より密度高いとは思っているが。
だから、物語的な波瀾万丈となっているが。

大学時代からのお友だちが好人物で、世の中の不浄を清涼にしてるかのようで、そして、キューピッドでもあり。
悪い人ばかりじゃなくて、ヒロインにとってそんないい出逢いもあって、そのうちのひとつが愛を結べる出逢いだった。
HQは、よく不幸な女の子を幸せにしてくれる。この作品でも、ヒロインのこれまでの大変さをこれからはどうか全て、幸せにひっくり返して欲しいと思った。
この作品は比較的早いうちに女医さんがいい動きしてくれて、こういう人が居てくれて良かったと嬉しくなるのも、ヒロインに過酷な運命を負わせている作者の工夫みたいでよい。
身内より他人の方が暖かい人がいる、というストーリー。

星合先生贔屓で、私はセット買いで読んだが、単独でもいいと思う。