ファインダーの密約 ~ファインダーの標的シリーズ(8)【初回限定小冊子付版】
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ファインダーの密約 ~ファインダーの標的シリーズ(8)【初回限定小冊子付版】

やまねあやの

どうなる?

ネタバレ
2017年7月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 私生活はともかく仕事では麻見と立場を異にしていた秋仁が遂に麻見側として動く。なのに結果は…。
須藤とのキャットファイトがテーマとは言え、また攫われて暴行されて救出されて…のパターンだし、前巻で『プロなんだ』と麻見に大見得切った割には調査は殆ど出来てないし。
やまね先生は秋仁をあくまでも庇護される者として描きたいのかな。個人的には成長した秋仁を見たいのだけど。

それでも前巻のウジウジから立ち直り、男らしく立ち向かい須藤の女々しさを一蹴する秋仁を見られたのは良かった。
一時はまた自分を黒田や須藤と比べて落ち込んでいたけれど、後に彼自身が言うようにカメラマンだからこそ出来ること、麻見や黒田や須藤とは違う立場の彼にしか出来ないことがある筈。次こそ秋仁らしい立ち位置で彼らしく活躍して欲しい。

麻見の方は前巻と違い再びスパダリらしい余裕ある顔を見せてくれている。が、内心はこの急展開をどう見ているのか。
前巻で本来の麻見らしく容赦ない斬り込みをしていればこんなピンチにならなかったと思うのだけど、それだけ秋仁が手離せない存在になったのだと感じる。

終盤は緊迫したシーンの連続。
やはりこのシリーズは銃撃戦が魅力。銃を構える麻見の姿が香港編より迫力と艶かしさアップで見とれてしまう。
何より前巻と違って秋仁と麻見の気持ちが通じ合っているようで嬉しい。
初めて秋仁が麻見にお礼を言うシーン、一緒に逃げようと懇願するシーン、不安と緊張に押し潰されそうな秋仁の髪に麻見がキスをするシーン、黙って秋仁の髪を撫でるシーン、この二人には愛だの恋だのなんて言葉は不要だと思える。

そして桐嶋も凄く素敵だった。
ただ危機管理やセキュリティ意識が甘過ぎでは?と思うところが色々ある。
今回はやまね先生が以前から描きたかったという愛の脱出劇もテーマなので設定の甘さは仕方ないのかな。或いはせっかく気持ちが繋がった二人をここまで追い込むことこそが先生の狙いなのか? だとすると次巻では二人の関係に再び転機が起こるのか。
それにしても須藤が憐れ。坂崎に救われるのか、逆に利用されてしまうのか。
あの人が出てきたからには香港編より厳しい闘いになるのか。

小冊子は正に夢のようなデート。麻見の秋仁に対するお金のかけ方がどんどん桁外れになってる。これぞ溺愛。本編がシリアスだっただけに、一層甘い雰囲気を堪能出来た。
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