トーマの心臓
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トーマの心臓

萩尾望都

いつ読んでも新しい発見がある

2017年8月18日
年齢や、読んでいるときのテンションでだいぶ感じ方が違うなあといつ読んでも思う。初読から十数年経ち、何回読んでも新しい解釈や新しい発見が自分の中にある。『トーマの心臓』については竹宮惠子の『風と木の詩』と並んで「BL黎明」と言われることがあるが、少年の愛情という意味での少年愛で、恋愛かって言われるとちょっと首を捻ってしまう。ただ文藝別冊の『萩尾望都 少女マンガ界の偉大なる母』にて、サイフリートからは性的暴行も受けていると萩尾先生ご本人がうっすら肯定していて、ああ、そうだよね、と積年の後ろめたさが消えた。
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