甘く苦々しいビターチョコのような読後感





2017年9月9日
個人的には好みの展開、雰囲気でした。家庭不仲の中、孤独感を覚えながらも寂しさに耐え表面的にはクールかつ不遜に過ごす受けと、そんな受けを狙って外内ともに侵食しようとする野生的な教師攻め。受けを取り巻く複雑な環境や、攻めへの恋慕と不審に揺れる健気な心情が切につづられており独特の退廃感と閉塞感を生み出しています。わかりやすい相思相愛や濃厚エロよりも、切なく苦い心の機微、身勝手な攻めに翻弄される孤独受けに萌えを感じるという方にはおすすめです。エロシーンもそれなりにあるのですが、個人的には官能要素はなく、受けの揺れる心理状態や攻めとの危うい立ち位置などのほうに艶っぽさを感じました。理想的な甘苦さのあるBLでした。

いいねしたユーザ1人
-
aa さん
(女性/40代) 総レビュー数:132件