狂王子の歪な囚愛~女体化騎士の十月十日~(分冊版)
早乙女もこ乃
このレビューはネタバレを含みます▼
期待せずに無料1話を読んだところ、思いのほかよくて最新の7話まで一気に購入してしまいました。自分がTLを買うとは思ってませんでした。
絵が綺麗でストーリーもきちんとしてるなという印象です。
ヒロインの意思とは関係なく、イケメン王子たちに代わる代わる強引に毎晩~というありがち設定ながら、暗すぎないのはヒロインである勇者エルの性格が一貫して前向きだからでしょうか。王子たちも暴力振るったりなど、ひどく扱ったりしません。
エルは女体化されたからといって女々しくならず、かといって正義の押し付けもなく、凛としていて芯から「勇者」で好きですね。自分的にはかなり珍しい好きなヒロイン。
闇堕ち感がないのに正義馬鹿じゃないし、全てされるがままの流され系でもないのでうざったくない。
細かく言うならもう少し男に抱かれる事に嫌悪感があってもよさそうですがw
快楽にとけてるヒロインが好きなので私は気になりませんでしたが。
兄弟もほどよく4人なので話がぐっちゃになりません。それぞれに個性もありますので読みやすい。どのキャラも表情豊かでHシーンも良いですね。下品じゃないのにほどよくエロい。
明確に描かれてはいませんが、よくあるぼかされすぎてる感じはない。自分はいつもTL作品でエロいと思わないのですが、心理描写もよくされているし、やはり勇者エルの性格がブレないので置いてきぼりにならずに入れました。
5~7話のリュカとの話がとても好きです。
リュカのようなキャラにときめく事はないのですが、エルによって変わったリュカにぐっときた。7話のHシーンはヤバイ。
その後にリュカが、王子なんて肩書き何もできない俺が持っていても仕方ない。全て捨てて二人で逃げて、エルが話してくれた世界を俺も見たい。と言いますが、エルは「どれほど無力感に打ちのめされようと、私はこの国を捨てるつもりはない」と前を向いていい放つ姿は心打たれました。
ヴィートリッヒとの関係もどうなるのか。きっと救ってくれると信じてますが。
続きが気になります。
いいね