エンドゲーム
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エンドゲーム

山中ヒコ

全2巻読みました!残酷で切ない二人の想い

ネタバレ
2017年10月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 交通遺児の克哉を施設から引き取り、養子にした透。克哉の透に対する想いは淡い恋心から劣情に変わり、その想いを打ち消すように柔道に打ち込む。透への想いで息苦しく過ごす克哉に、さらにその日々すら失ってしまうような事実が明らかになっていく。1巻のラストは衝撃的で、すぐ2巻が読める環境が有り難かったです。透が罪に問われることは明らかで、その辺りが少しだけもやっとしました。ただ被害者である克哉をメインに考えた場合、克哉の望む幸せを考えればあの結末で良かったのだと思います。番外編で黒田の話がありましたが、あのお話を読んでしまうと心情的にあまりにも黒田が哀れになってしまい、その後の克哉と透の番外編が薄く感じてしまったのが個人的に残念でした。ヒコ先生の作品はただ切ないだけでなく、苦しい閉塞感となんとも言えない余韻が残るストーリーで、毎回読後その世界から抜け出せなくなります。重くシリアスな内容でしたが、読みごたえのある作品でした。
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