このレビューはネタバレを含みます▼
無料版から一気に最終巻まで読みました。
性暴力について男女の関係について普遍的な問題のど真ん中を突いた素晴らしい作品でした。古来から女性が受けてきた、肉体的優位に立つ男性からの支配に対する恐怖、怒り、震え。支配と愛との混同、愛と快楽の混同、愛とエゴの混同。本来の愛とは何かということ。しっかり描かれていたと思います。
この漫画を不快に感じるという人は、主人公やミサカナちゃんの境遇に共感せずにすむような人生をおくれているということ。その幸運を噛み締めて欲しいと思います。
日常、身近にも表面化しないだけでこういいう女性は多くいるものです。
今時は、早藤のように女性をひどく扱う犯罪のニュースも多く聞きます。こういう漫画が青年誌で掲載されたことも素晴らしいことですね。
ただ、早藤は自分が何かおかしいことを感じたけれど、そもそもこういう人ってこんなふうに自分を見つめる機能ないんじゃないか?って気がして、ちょっと疑問に思っちゃいました。性善説すぎるというか、ややきれいにまとまりすぎたかも。そのへんが作者の品のよさかもですね。