このレビューはネタバレを含みます▼
274ページでした。美麗な銀髪眼帯王子様のヒーローと、滅びた国の元王女の美少女ヒロインが、身分差を乗り越えて一途に想い合うという設定です。話のテンポも良く明るい感じで、気になる出来事も色々あるので、主人公達のラブがかすむぐらい読み応えのあるストーリーでした。
錬金術と鍛冶屋、怪しいツル植物、満月の夜の月光石、そして話の重要なポイントになる植物の種を育てる過程…等々…。ファンタジー要素を少しふまえていて、舞台背景をイメージすると、私はグリム童話っぽい世界に思えました。
ヒロインとヒーローは元々婚約者で、ヒロインの身分が無くなったせいで破談になりましたがヒーローが影武者を装いながら会いに来たりして(自称・影武者。でも街の人に本物だとバレている)…一途な所が素敵でした。そしてある種を育てる事になるヒロインですが、それが後々に2人にハッピーエンドをもたらす『何か』に成長します。それが最大の読みどころです!(これだけは知らずに読んだ方がいいのでネタバレ無しで)
眼帯で片目を隠すヒーローが負った心の傷や、ヒロインが庶民になっても変わらず純粋で卑屈にならず明るく生きている様子など…童話っぽい背景にからめてシビアな現実も書かれてあり、片寄らずに上手くストーリーがまとまっています。(ただ、いやらしい行為をしてくるツル植物ってどうなの?…と、そこだけが気に入らず☆ー1にしました。)
あと、めっちゃ好みの鍛冶屋の青年や、錬金術師の老人など個性的な脇キャラが話を盛り上げていて、本当に面白い作品でした☆彡