被写界深度
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被写界深度

苑生

紺野くんの、ブレない眼ざしに救われる

2017年11月26日
いつもにこにこ、機嫌のよさそうな早川くんが抱える「何か」に気がついたのは、いつも自然体で自分がブレないがゆえに、周囲からは「ちょっと怖そう」と思われている紺野くん。このふたりが繊細に丁寧に描かれていくので、ストーリーは自然でリアルです。奔放にも見える早川くんの、時にわちゃわちゃになる心の吐露は哀しく切なく、一見冷めたように見える紺野くんの、静かに満ちていく包容力とのコントラストには、感動すら覚えました。ストーリーもさることながら絵も美しく、構図もとても丁寧で心に迫ります。とある男の子たちの、人生のひとコマ。ふたりとも、心の底から愛しいと思える存在です。ああ、なんて素敵な作品…。大切に見守っていきたいです。
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