DOG STYLE
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DOG STYLE

本仁戻

BL史上、屈指の名場面にであう

2017年12月30日
孤高の狂犬のようなテルと、明るくどこまでもお気楽美人にみえるミキ(ミキティ)。まるで似てないようなふたりが、実はお互いそれぞれ隠しもっていた、ひりつくよつな寂しさやしんどさ。それを、野良犬のような鋭さで理解してしまったふたりは、馴れ合わず、身体をぶつけあい、笑い飛ばし、時に反発し、時に泣き叫びそうな身体を寄せあって、やがてテルはミキを、ミキはテルを、そのどうしようもない辛さから守り抜こうとしていきます。初めてこの作品にであったのは何年も昔なのですが、硬質で、特徴のある絵と精緻な構図、伏線が張られた甘えのないストーリー構成に驚愕し、何度もなんども、噛み締めながら読み返しました。夕日を眺める、ミキとテルの繊細さ。心を許していいんだと思いあったあとの、痛ましい日々。そして物語の最後……もう号泣です。そのほか、記憶に刻まれる名シーンがいくつもでてきます。いい加減で軽そうな美人のミキの、とてつもなく繊細で切なくなるほどの優しさにも、ほだされます。ミキティ、大好き。
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