本当に好きな人と結婚出来るのは奇跡の賜物

TLﾚﾋﾞｭｰに足を踏み入れてしまった。
読んではいたけれど、公式に記録に残してしまうようで、書いてこなかった。ジャンルがジャンルなだけに凄まじく性描写があり、煽っており、通勤電車でとても読める物ではない。勧められる層は限られる。しかし、過激なシーンが大幅に有っても、ストーリーが輝く。これが言いたくてこの場に投稿したようなものだ、
絵柄は正直地味だし、人物の見た目は私の好みとは言い難い。なにより、ベッドシーンに美しさは無い。(ここの絵のタッチに荒れた感じがどこかあっての星数)、とにかく内容はまさにジャンル特有要素満載。
私は現実離れした夢のようなひとときを提供してくれる漫画が好物なので、この作品の持つ魅力が、日頃読み耽ってレビュー投稿するタイプの作品群とは真反対にあることが、合わせ鏡に見えてくる。
一生そんなに好きな人とはもう出会えない、そんな人と結婚できない。身分違いに泣く悲劇は世の東西を問わず無数にある。だから、そこを、恋愛が気持ちよく真っ直ぐなHQに傾倒してもいるのだが、好きでも一緒になれない所にウェイトの置かれた、半悲恋ストーリーで、ただ悲しい辛いだけでもなくて、何代もかけて遠回りの成就を果たす過程の、感情描写が胸に来る。
性描写がないと成り立たない話に仕立て上げられてはいるが、結婚という制度が何を守っているのか、何の為にあるのか、愛し合う男女を固定するためとは限らない現実を見るようで深い。控えめな表現でベッドシーンを美しくしていたら、もっと格調高いものになったろうにと思うと、とても勿体無い気持ちもする。

本当に好きな人と、映画やドラマのような結ばれ方をしての「結婚というひとつのゴール」、もしくはその後の幸せな生活、それは確かに理想郷で良いが、こちらもある意味叶わぬ恋に泣いた人の理想的な(？)というか、次善のハピエンのひとつかも、と思った。
アニメ化されるという「ハイカラさんが通る」の出だしを思い出した。