「子供を殺してください」という親たち
」のレビュー

「子供を殺してください」という親たち

押川剛/鈴木マサカズ

結局、親がそう育てた

2018年1月28日
私も二人の子供の親です。子育ての教本くらいの気持ちで2巻まで読みました。


※ほんの微かにネタバレ要素あるかもしれません。
気を付けてください。



この作品に出てくるのは、問題行動や奇怪な言動を繰り返すこども(といっても、ほとんどは成人)と親がメイン。押川という支援者の視線で話は進みますが、親子の関係に大きく関わっているわけではなく、必要とあらば病院を紹介し、親では暴れる子を押さえつけて通院させる余力もないので押川が代行して連れていくという、簡単にいうとそんな感じ。


希望がみえることは、ほぼなく、このまま病院の中に閉じ込めたまま終わるのかなぁっていう話が続く感じで、、、😌


たった15年間ほどの子育てや教育で、こんな風になってしまうのだ、こんな風になってしまった大人を社会生活を平常に営める者にするには、なんと先の見えない果てしない地獄の日々なのだろうか、、と、大変勉強になりました。


親の関わりかたというのは、それだけ大きなことなのに、親というのは練習や事前学習、研修があるわけでもなく、誰でも素人なわけで、だからこそ世の中の親は子供のことで一喜一憂し、自分のことより子のことでよく悩むのだろうと、再認識しました。



わたし自身にも高校生の子がいますが、これまで何度 この子のことで悩んだり不安になったり、相談したり迷ったりしたか。

年々、悩みの種類や深刻さも変わっていくもので、何をやっても、何を認めてあげても、これでよかったのかと自問する日々。


ただ、子供との絆というか、うまく言葉にできなきけれど この子を愛しているし、もちろん目にいれても痛くない。


こどもを危険だと思ったことはない。


しかし、ここにでてくる親は誰しも、じぶんの子が怖いし、危険だと感じている。


とても不思議な世界でした。
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