傷だらけの男 家が落ちぶれた女

突然の不幸がヒロインを襲った。 妹と途方に暮れた所を彼マイルズが救ってくれた。
ハーレクインは肉体に傷跡を持った男性が割とよく登場する。マイルズのケースは痛みが相当残っている状態。
負傷の原因となった事故は、肉体も心も共に相当彼を痛め付ける。その傷、乗り越えるのは大変なのだなと、話を通じて想像する。ハーレクインの男性の傷は見た目にも大きく、厄介な記憶を引きずっていることが多い。
このストーリー、過去形の話がみな眩しい日々で。現在はもがいて頑張ってる頑張ってる。

ただ、いろいろなことが説明調に終始していることが多く、臨場感や、読み手として読んでいるうちに話の中へ巻き込まれたかの様な、出来事の追体験的な身近な感覚が、少し足りなかった。指輪はモチーフ、というか、影の主役なので、もう少し存在感ある扱われ方をして欲しかった気がする。

この作品の前に読んだのも、戦地から帰って来た元ジャーナリストの話、「偽りの妻」。重なるところも多々あり、比較対照的に読めて面白かった。