鬼の戀
」のレビュー

鬼の戀

丸木文華/Ciel

オカルトと耽美と退廃…あと●墓村

ネタバレ
2018年2月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ いやもお愛が重い!!ずっしりとびっちりと「二人の世界」です。他人が関わる隙がありません。関わったら死ぬ勢いです、多分なく。というか大量に死んでます。
あと、凄く感じたのは横溝正史リスペクト。大凡は「八墓村」からで、冒頭の描写とか岡山県津山近くの山間部が舞台とかその他色々オマージュになってるように感じます。お祖母さんの名前が「松子」さんとかね。(八墓村には小竹さんと小梅さんというお祖母さんが出てきます。合わせて松竹梅)
民俗学者の石野さんの本名は「石坂」じゃないの?、「僕、実は探偵なんですよ~」とかいつ言い出すのかな?とか思いながら読んでました(笑)だって風体そっくり。
出征時のエピソードに若干の違和感はありましたが(陸軍は大体郷土連隊で編成されるケースが多かったと思うので、周りはそもそも同郷者ばかりの筈。きっと激戦後生き残りで戦地再編成されたのだと解釈しておこう)読み応えのあるTL小説でした。文章も叙情的で美しいし、昏い内容に合ってますね。
ただ、あまり多方面に対してのハッピーエンドじゃないのでご注意を。闇オチに近いです。
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