このレビューはネタバレを含みます▼
まだある灰皿。冷めたコーヒーを奪われて終わりかと思ったらお代わりを入れてもらえて戻って来た。
あの「流され侍」が容赦無い「NO」を繰り返す中で今ヶ瀬に問われたのは「お前にどれだけの覚悟があるのか」だったのではないでしょうか。灰皿とコーヒーはまだ今ヶ瀬に気がある事を示すヒントだった。
自分が女だったら洟も引っかけなかったであろう今ヶ瀬に、ノンケであるにも関わらず男と生きて行くと決めた自分の気持ちと「同じくらいの覚悟」を求めていた。ないなら終わりだったのでしょう。
今ヶ瀬は最後までコーヒーを飲まなかった。恭一は口をつけて欲しかった。だから、お代わりを入れたんですね。おそらく口をつけたカップは別れた後、あの時の灰皿の様に洗わないまま残されるはずだったのでしょうね。
白も黒もがNOと言った道を進む恭一…。傘を取りに戻らせた恭一の神様の答えはきっと「YES」だったのでしょう(結局傘持って行ってないし)。
色んなものを失って、業が雪になって降ってくる。それでも2人は歩いていくんですね。
もう一度読み返して見てほしい。隠された意味を感じ取ってほしい作品です。