闇のダリウス、光のザンダー Ⅱ シンデレラの献身
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闇のダリウス、光のザンダー Ⅱ シンデレラの献身

キャロル・モーティマー/桜屋響

幼時の消せない体験の記憶の影に苦しんで

2018年3月10日
HQには過去不幸だった女性が最大級の幸せを得る話が沢山有って、読んでいて恋愛要素に加わってくる安堵感が心地よいのだが、男性の側にもそうした素晴らしい転機となることを描写する、ダブル逆境克服ストーリー。
サンダーがやってくれる報復も、その後の生活の安定も安全確保もHQ的解決が胸をすく。
ひかれ合いながら深入りを恐れるヒロインの気持ちには入り込み易い。最初にタガが外れそうなるシーンは雰囲気がとても良かった。
しかし、男性視点でストーリーが開始されたにも関わらず、サンダーの克服のプロセスには、最後まで入り込めなかった。多分、ヒロイン主体の働きかけオンリーで、彼サイドの、親の影に怯えていた所から抜け出せた描写が彼の一言のみという物足りなさかと思う。
子どもに接する時の苦しい気持ちや恐怖は十分でも、ヒロインが彼を解放するシーンが比重が軽く思えた。
ダリウスの、自分は妻といるときにサムの話はしないー、と返すシーンでは突然笑いを誘われた。
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