半壊の花【シーモア限定特典付き】
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半壊の花【シーモア限定特典付き】

早寝電灯

表題作+3作品 失くしたのは、片割れの君。

2018年3月14日
早寝電灯先生、デビューコミックスでした。どのお話も表情や台詞運びが繊細で、胸に響く作品ばかりです。表題作と「稲穂に~」が特に印象的でした。何度も読み返してますが、毎回涙腺が緩んでしまいます…。

「半壊の花」前後編
双子のユウとハル、そして彼らを唯一見分けられた豊樹のお話。高校卒業と同時に連絡が取れなくなった双子。再会の場はユウのお葬式だった。どうして連絡を断っていたのか…。不器用な想い、還らない人、それぞれに想いを馳せて涙が溢れる切ないお話でした。Hはこの作品のみ。

「扉の向こうの凪いだ海」
アパートの大家・緑と大学生で入居者・凪のお話。怖がりな緑がある晩…。ほっと安心できる優しい短編です。

「嘘つきたちの食卓」
料理人とライターのお話。募る想いと裏腹に強がりしか言えない日々。限界を感じ始めたとき…。言いたいことを伝えられると、どんどんほどけて愛を知る。キュンとする短編です。

「稲穂に帰る道」
「稲穂につづく道」
大学進学を機に別れてしまった櫂と幸助。ある日櫂の作品が雑誌に掲載されているのを見て…。「稲穂に帰る道」が高校時代回想、「稲穂につづく道」が現在と続きます。稲穂が効果的に使われていて、稲穂の想い出の描写にじんわり涙が。純粋で健気な想いが美しい再会ものでした。圧巻の読みごたえです。

「半壊の花 その後」2ページ
「扉の向こうの凪いだ海 その後」3ページ
「嘘つきたちの食卓 その後」2ページ
「稲穂につづく道 その後」4ページ
「あとがき」1ページ
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